問い合わせメールへの返信は、内容の多くが「以前にも答えたこと」です。それでも毎回、過去のメールや資料を探し、文面を整えるのに時間がかかります。 この記事では、生成AIに返信の下書きを作らせ、人が確認して送るまでの流れを、小さく始められる形で紹介します。

1. 任せる範囲を決める

すべての問い合わせを対象にすると、判断が難しいものまで混ざります。まずは、答えがほぼ決まっている種類に絞ります。

種類AIに任せやすさ理由
営業時間・所在地・手続きの流れ任せやすい答えが資料に書いてあり、毎回同じ
料金・見積もり条件付き基本料金は答えられるが、個別の条件は人が判断する
クレーム・契約に関わる内容任せない文面ひとつで結果が変わるため、最初から人が書く

2. AIに渡す「答えの元」を用意する

生成AIは、渡された情報にない内容を、もっともらしく作ってしまうことがあります。返信の根拠になる情報を先にまとめておきます。

  • よくある質問と、社内で決まっている答え
  • 営業時間・連絡先・手続きの流れなど、変わらない情報
  • 返信の書き出しと結びの定型文

すでに FAQ ページや社内マニュアルがあれば、それをそのまま使えます。

3. プロンプトの型を決める

毎回書き方を変えると、出てくる文面の品質もばらつきます。役割・参照してよい情報・守ってほしいことを、型として固定します。

プロンプトの例
あなたは〇〇株式会社のカスタマーサポート担当です。
下の「参考情報」だけを根拠に、「問い合わせ本文」への返信の下書きを作ってください。

# 守ること
- 参考情報に書かれていないことは推測で書かない。
  分からない点は「担当者より改めてご連絡します」と書く
- 料金は参考情報の金額だけを書き、値引きや例外は書かない
- 敬語で、300 字程度にまとめる
- 最後に、下書きの中で人が確認すべき点を箇条書きで出す

# 参考情報
(ここに FAQ や社内の決まりを貼る)

# 問い合わせ本文
(ここに届いたメールを貼る)

最後の「人が確認すべき点を出す」は、確認の手間を減らすための工夫です。AIが自信のない箇所を自分で挙げるので、見落としを防ぎやすくなります。

4. 社内で運用するときの注意点

個人情報の扱いを決める

問い合わせには、氏名や連絡先が含まれます。使う生成AIサービスが、入力内容を学習に使うかどうか、どこに保存するかを確認し、社内のルールを決めてから始めます。 不安がある場合は、氏名などを伏せてから貼り付ける運用にします。

「使った結果」を記録する

1〜2 週間ほど試したら、下書きをほぼそのまま使えた件数と、大きく直した件数を振り返ります。直した理由を見ると、参考情報に足りないものや、プロンプトで補うべき点が分かります。

まとめ

  1. 答えが決まっている種類の問い合わせに絞る
  2. AIに渡す「答えの元」を先にまとめる
  3. プロンプトを型にして、確認すべき点も出させる
  4. 送信は人が判断し、使った結果を振り返って改善する

いきなり大きな仕組みを作らなくても、日々の「面倒」は少しずつ減らせます。どこから始めるか迷ったときは、お気軽にご相談ください。